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心を動かすマーケティング: グローバル ブランド成功への秘訣

顧客との強く深い信頼関係の構築

近年、顧客とブランドとのタッチポイントは深く個人的なものになってきており、ブランドは顧客との強く深いつながりを築くために顧客の心情に響くメッセージを作成し、発信する必要性が高まってきました。モバイル、Web サイト、チャット、スマートフォン、メールなど、使用するデバイスにかかわらず、それぞれのタッチポイントで顧客はパーソナルで特別なつながりを望んでいます。

そこでマーケターに問われるのは、いかに顧客と上手く対話し、真のつながりを築くかということです。ライオンブリッジのバイス プレジデント、セルジオ レストレポによると、重要なのは「人間らしさ、人間味のある振る舞いと話し方」と述べています。

ライオンブリッジのグローバル マーケティング サービス部門のバイス プレジデント (VP) を務め、大学教授としても活躍するセルジオと、マーケター同士の話をする機会があり、成功を収めた企業がいかに人間味あふれるメッセージで顧客との間に感情的なつながりを築いているかについて話し合いました。セルジオが実践しているのは、彼の言う「真のサービス」と人間性を織り交ぜ、本音で向き合い、顧客との感情的なつながりを築くことでした。

1.聞く姿勢


私たちデジタル マーケターは、買い手に関する非常に多くのデータを持っています。買い手がよく見る Web サイト、ソーシャル サイトに残すコメント、日常的に行うインターネット検索などです。これらのデータを活用することで、「より近密な対話が生まれる」とセルジオは言います。そして「データを有意義な対話に活用できる企業こそが成功を収め、そうでない企業は遅れを取る」というのです。今やマーケターは顧客全体ではなく、個々の人間と対話する必要があるのです。

たとえば、ソーシャル メディアを考えてみましょう。ソーシャル メディア リスニング ツールを使えば、自社や自社ブランドを人々がどのように認識し、評価し、感じているのかを理解することができます。あなたの考え次第で、さまざまな情報を活用して顧客とパーソナルで特別なつながりを築き、対話を通して顧客のフィードバック、懸念、関心に取り組むことができるのです。

2.サービス指向


カスタマー コール センターはもう古く、これからは総合サービス センターが主流になります。セルジオによると、サービス センターはソーシャル メディア、電話、メールなどの手段にかかわらず、一人ひとりの買い手の立場に立った顧客中心の統合的な視点を採用するまでに進化しています。電話口の人物が Twitter に不満を書き込んだ人物と同一なのかということさえ、最近のサービス センターではわかってしまうのです。

「トップクラスの成功企業のサービス センターからは、本気で顧客の役に立とうする誠意が感じられる」とセルジオは言います。このように優れたサービスを実践しているブランドとして「ザッポス」があります。ザッポスはいち早く、顧客との通話時間に重点を置く従来型の運用を撤廃し、行き届いたサービスの提供に重点を置く方針に転換しました。

3.顧客の母国語への対応


容易ではありませんが、感情的なつながりを築くために明らかに効果的な方法の一つが、どんなタッチポイントでも顧客の母国語で対話することです。「日本の顧客に日本語でイベントの参加を呼びかけながらも確認メールは英語、という時代は終わった」とセルジオは言います。「それでは通用しない」のです。タッチポイントを途切れさせないように、さまざまな市場のカスタマー ジャーニーを分析する必要があります。

代表的なグローバル企業とも肩を並べて働く独自の見地からも、セルジオはカスタマー ジャーニーにおけるすべてのタッチポイントで母国語対応が必要であることを目の当たりにしています。製品内容のインターネット閲覧、ソーシャル リスニング、リアルタイム チャット、電話を介した通訳など、さまざまなものにこれが当てはまります。

4.簡略化


デジタル マーケターであれば、カンバセーショナル マーケティングへの動向もよくご存知でしょう。マーケターは顧客情報管理を中央一元化することで、より素早く簡単に顧客とつながることができます。サービスを提供するのにいちいちフォームに記入してもらう必要があるでしょうか? すでに連絡先情報をもらっているのに、再度記入してもらう必要があるのでしょうか? フォームの項目はすべて本当に必要でしょうか? ユーザー検証の効率性を高め、素早く目的を達成するにはテクノロジーをどのように活用すべきでしょうか?

5.共感力


ここまでは成功の秘訣となる 4 つのポイント、聞く姿勢、サービス指向、母国語対応、簡略化、つまりセルジオの言う「真のサービス」について話しました。残りの 4 つは人間性の部分で、共感力、思慮深さ、反省の心、細部への気遣いです。

記憶に残るカスタマー エクスペリエンスを提供しようとするブランド間の競争が増すにつれ、ブランドは顧客の視点に立って自社のサービスを捉える必要があります。アクセンチュア インタラクティブのグレン ハートマン氏が AdWeek に書いたように、「顧客の成功も含めて自社の成功と捉え、顧客が目下の欲求を満たせるようにサポートすべき」なのです。そのためにもブランドは、カスタマー ジャーニーにおける多くの「マイクロ モーメント」を通して、顧客の欲求を理解する必要があります。

6.思慮深さ


たまたま偶然に生まれた「心を動かすマーケティング」と、入念なマーケティング戦略の一環として意図された「心を動かすマーケティング」は違います。セルジオとも話しましたが、人と人とのつながりを築くことに成功している企業は計画的にそれを行っているのです。よい例が、ラジャ ラジャマナー氏が最高マーケティング責任者を務めるマスターカードです。同社が考案した「プライスレス」キャンペーンでは、顧客を主役とし、ブランドは顧客の日常をサポートする脇役と位置付けています。

以前、MarketingWeek の記事で引用されていたのが、マスターカード イギリス社のマーケティング責任者であるポール トゥルーマン氏の「マスターカードはプライスレスな瞬間を祝福するだけのブランドからプライスレスな経験を可能にするブランドへ進化し、マスターカードを選んでくださるお客様にさらなるベネフィットを提供し、さらなる感情的なつながりを築いている」という言葉でした。

そしてライオンブリッジも、より人間的なレベルで自社を知っていただくために「世界で活躍するプライド」という新しいブログを開設しました。ライオンブリッジの原動力となっているのは、仕事を成し遂げようという揺るぎない情熱をもつ人々のパワーに溢れた広いネットワークです。個人のプロフィールを掲載することで、すべての翻訳案件、プロジェクトの裏には「人」がいるということをおわかりいただければと思います。

7.反省の心


「間違えたときは、素直に謝りましょう」とセルジオは言います。間違いは起こりうるものです。間違えたときは素直にそれを認め、今後同じ間違いが起こらないよう自分の行動をまとめておくべきです。「ブランド、特に事業ブランドが共感的で素直な姿勢をとり、自社が完璧ではないことを認めることは容易ではないが、顧客との対話を続けるためには不可欠である」とセルジオは考えています。

8.細部への気遣い

Google Doodle のシーズンごとの変化にお気付きでしょうか? Google Doodle は、国ごとのサイト訪問者にあわせてカスタマイズされています。カフェでコーヒーカップに自分の名前が書かれているのを見てうれしく思いますか? お客様の誕生日にメールを送ることはありますか? 入会記念日はどうでしょう。このような細部への気遣いが大切で、顧客一人ひとりに好感を与えるのです。そして細部に注意を払える人こそ、周囲に差をつけることができるのです。

セルジオの成功の秘訣を実践すれば、顧客の母国語や出身国にかかわらずどんな顧客とも素晴らしいエピソードを生み出し、強いつながりを築けることでしょう。ライオンブリッジでは、このように人と人とのつながりを築くためのお手伝いをしています。ライオンブリッジは皆様の大切なお客様が母国語で電話、チャット、Web サイト閲覧などをできるよう、言語面での幅広いサポートを提供します。

現在の、そして進化するマーケティング テクノロジーは、私たちマーケターの効率的な情報収集や有用なワークフローの考案にこれからも役立つでしょう。そして人間らしく全力を尽くす私たちの後ろ盾となってくれるはずです。

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