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MDR (医療機器規制) 対応に向けた多言語コンテンツの一元化

全 EU 市場における MDR 2017/745 の施行に向けた体制移行

MDR という難題

EU 医療機器規則 (MDR) の施行日である 2021 年 5 月 26 日が目前に迫ってきました。この新規則は、適合性評価機関 (NB)、メーカー、認定代理人、事業者を含むすべての利害関係者に大きな影響を及ぼすものです。その影響範囲の広範さにもかかわらず、また、欧州委員会と医療機器調整グループから 2018 年~ 2020 年の期間に多数の MDR ガイダンス資料が発行されているにもかかわらず、今もなお、新たな要件を実践・遵守する方法についての業界向けガイダンスや共通仕様書が不足なく整備されているとは言いがたい状況です。また、MDR に基づいて提供される Eudamed データベースはサービス開始が 2 年遅れており、2022 年 5 月にならないと利用できません。こうした不確実性に対応しつつ、コスト配分、リソース配分、イノベーションの取り組みをどのように展開して今後の医療機器ポートフォリオを考えていけばよいのでしょうか。

MDR の内容の複雑さと規制要件の厳しさから、試算によれば医療機器メーカーは従来比 2 倍~ 4 倍の従業員就労時間を対応に割く必要があり、研修、外部委託、人材配置の予算も増やす必要があると見られます。MDR では、高リスク機器の適合性評価に関して、いっそう充実した技術的データを提出することが義務付けられています。また、透明性確保と臨床用途、監視用途のために一般向けの表現を使ったコンテンツを用意する義務もあります。

EU 市場向けに提供される医療機器に関して、言語面の対応コストはもはや付加的要素ではありません。多言語対応は、医療機器開発、CE マーク付与、医療機器ライフサイクル管理に必要不可欠な要素として規制に盛り込まれています。そうした対応義務だけでなく、多言語環境である EU 圏の事情を考えても、コンテンツの計画と管理を一元化することは非常に合理的であると言えます。

多言語市場の規制コンテンツについて問うべきこと

この新規則は内容が複雑であり、長いライフサイクルが適用対象となるため、医療機器メーカーは必須要件と販売後要件の対応だけでほとんど手一杯です。費用対効果が高く統率のとれた、製品ライフサイクル全体にわたって効果を発揮するコンテンツ戦略の策定にまで取り組もうとすれば、ただでさえ過大な負荷に耐えているリソースが力尽きてしまいかねません。主な要件への対応を考えるだけでも以下のような課題が多数あるからです。


  • 当該医療機器の種類について適合性評価機関としての認定を受けられそうな NB の見極め

  • ラベルの内容やデザインに関係する UDI 要件の確認

  • 各製品を引き続き市場に提供するか、撤退させるかの判断

  • 機器分類の見直し対象となる製品の確認

  • 製品の臨床調査が必要かどうかの確認、高リスク機器の臨床試験を遂行するために専任の臨床部門を設置する必要があるかどうかの判断

  • 当該医療機器に適用される販売後マーケティング調査要件や販売後フォローアップ要件の確認

  • Eudamed への提出が必要なコンテンツの確認

  • 当該製品について一般の人々に開示するコンテンツの選定

  • 安全性と臨床性能の概要情報、インフォームド コンセントの同意書フォーム、インプラント カードなど、専門知識のない人々を対象としたコンテンツの作成者選定、製品ライフサイクル全体にわたってコンテンツの更新を続け、入手性を確保し続ける方法の確立

  • 電子版 IFU (医療機器取扱説明書) に教育向けマルチメディア コンテンツを盛り込むことについて、ユーザーと患者から見たメリットの検討

的確な規則遵守のためにコンテンツと言語の管理が重要である理由

欧州委員会の多言語ポリシーは、さまざまな規制が絡みあっている市場環境をいっそう複雑にする要因となっています。今回の医療機器に関する EU 規制改革は患者とユーザーの安全性に主眼をおいて行われるものですが、コンテンツには、機器利用の効果と安全性を確保する上で重要な役割があります。製品の使用時に医療専門家や患者が参照するコンテンツには現地語版が用意されていなくてはなりません。MDR ではコンテンツの文言について、「包括的かつ簡潔、明確で、ニーズに即しており、被験者またはユーザーにとってわかりやすいもの」にすることが義務付けられています。つまり、ヘルス リテラシーの原則と言語的な専門知識を踏まえて患者およびユーザー向けのコンテンツを作成し、すべての市場に提供することが期待されています。さらに、EU の多言語ポリシーにより、CE マークを取得して欧州共同体との事業を行うには 24 種類の EU 公用語で運営できる能力が欠かせません。

LSP をパートナーにすることのメリット

グローバルな言語サービス プロバイダー (LSP) と連携することで、企業の皆さまは、EU において医療機器のライフサイクル全体を網羅する一元的なコンテンツ戦略を強化することができます。ニーズを的確に満たす力を備えた LSP なら、御社の抱える課題を理解し、規制対応の苦労を大幅に軽減することができます。

当社ライオンブリッジなら、医療分野で長年培ってきた実績と言語に関する専門知識を組み合わせた独自の各種サービスを通じて、皆さまが取り組む MDR 実施体制への移行と EU の要件を満たす言語戦略策定をご支援いたします。御社の医療機器の販売後コミットメントや付随情報を的確に管理し、製品が稼働を終える日まで適切な対応を続けるには、できるだけ早期に対策を開始することが重要です。

ライオンブリッジをパートナーに選ぶ理由

欧州の規制環境や欧州医薬品庁 (EMA) の諸手続きを熟知した当社ライオンブリッジなら、御社の MDR 対応における信頼のグローバル パートナーとして、以下のような当社独自の専門性を活かして、御社のニーズに適した専門サービスをご提供します。


  • 医療機器コンテンツ、言語、ヘルス リテラシーの原則に関する確かな専門知識

  • 医療機器ポートフォリオ全体を網羅する費用対効果の高い情報発信戦略を実現可能にする、言語資産の再利用環境

  • 医療機器利用の安全性・正確性を高めるために役立つ、ユーザー、患者、一般の人々への明確で一貫した情報発信力

  • 高齢化が進む 5 億人以上の消費者と 24 種類の言語を擁する世界最大の多言語市場へのスムーズなアクセス

  • 臨床試験コンテンツと、適正臨床実践 (GCP) 規制下の臨床調査に関し、20 年以上の長い経験を持つパートナー

  • ユーザーおよび患者向けの教育用コンテンツ、マルチメディア、eラーニングに関する専門知識

  • コンプライアンス、サービス、グローバル ヘルスケアに対する精力的な取り組み

ライオンブリッジのアプローチ

高度な専門知識を持つ当社ライフ サイエンス部門が、御社のすべてのクラスの医療機器について、移行と実施のプロセスを万全の体制でサポートいたします。当社なら、製品ライフサイクル全体に関するコンテンツをすべての EU 公用語に翻訳することも、ユーザーおよび患者にメリットをもたらす教育用マルチメディア コンテンツの制作を支援することも、また、豊富な臨床知識と GCP の専門知識を活かして、高リスク機器の臨床調査実施に必要な言語資産の構築をサポートすることも可能です。御社の MDR に関する取り組みを簡素化し、スピーディーかつ円滑に進めるためのサポートは当社にお任せください。

お問い合わせ

ライオンブリッジのライフ サイエンス部門までお気軽にご相談ください。

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Pia Windelov
著者
Pia Windelov